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中等社会科教育学会第32回全国研究大会 プログラム
この度、中等社会科教育学会第32回全国研究大会を下記の通り開催いたします。学会員の皆さまはもとより、社会科教育に関心をお持ちの方々も広くお誘いいただき、多数ご参会くださいますよう、ご案内申し上げます。
〇日時:平成25年11月2日(土)
〇場所:筑波大学文科系修士棟
〇時配:受付開始 9:30
自由研究発表 10:00~12:00
大学院生による模擬授業 13:00~14:15
シンポジウム 14:30~16:45
総 会 16:45~17:30
懇親会 18:00 灯禾軒にて
1.自由研究発表─第1分科会
(1) 歴史学習における風刺画の活用―香港の中学校教科書を中心として―
筑波大学大学院 山田 啓介
(2) ドラマを取り入れた歴史学習の可能性―History through dramaを手がかりとして―
筑波大学大学院 井奥 亮太
(3) アメリカ合衆国における探究型歴史学習の批判的検討-SHEG”RLHプロジェクト”を事例として―
筑波大学大学院 渡部 裕哉
(4) 中等社会科教育における文化人類学的視座の導入に関する試論
慶應義塾湘南藤沢中高等部 濱 雄亮
2.自由研究発表─第2分科会
(1) 政治的リテラシー涵養を目指すシティズンシップ教育としての歴史教育―沖縄県における「シティズンシップ教育副読本」を事例として―
筑波大学大学院 渡辺 弘樹
(2) 中学校公民的分野における「ケアの倫理」の意義
筑波大学大学院 井ノ下 翔一
(3) 「政治的なるもの」と向き合う社会科授業の構想―トランス・ジェンダーを題材に―
筑波大学大学院 増本 真也
(4) 千葉県北西部における旧軍用地の土地利用
筑波大学大学院 竹澤 史也
3.大学院生による模擬授業
模擬授業①「 カンボジア・スタディーツアーの事前授業-継続性に着目して-」
・授業の趣旨: 本実践は、高校生のカンボジア・スタディーツアーの事前学習として位置づく。授業では、ESDの視点を取り入れ、継続的な学校運営のために必要な要素を考えることを通して、現地の人々の立場に立って物事を考えようとする姿勢や、問題意識を持ち続けることの重要性に気づかせる。
授業者 :河辺智美 久保園梓 宮部翔
模擬授業②「地域からとらえる貧困 -フィリピンの事例を通して- 」
・授業の趣旨: 本実践は、筑波大学附属坂戸高校の学校設定教科「国際」の科目Global Studiesで行ったものである。授業ではフィリピンの貧困問題を地域の問題としてとらえ、その構造を理解してもらう。そして、問題の実態に合わせた行動について考えることができる態度の育成を目指す。
授業者 :荒木健太 伊藤陽晃
4.シンポジウム
「ゆとり世代」を教師として迎え始めた中等社会科教育界
―「失われた 10 年」批判に社会科教師はどう応えるのか―
コーディネイター、問題提起:東洋大学 須賀忠芳
シンポジスト:千葉県立千葉西高等学校 教諭 杉田孝之
茨城県立東海高等学校 教諭 石川知行
神奈川県立総合教育センター 山本栄一
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 村井大介
文部科学省 三橋浩志
・要旨:「ゆとり世代」と呼ばれる平成 10 年版学習指導要領で学んだ社会科教師が、いよいよ教壇に立ち始めました。精選された学習内容で学んだ若手教師の「自己表現力」、「探求能力」などを活かしつつ、不足が懸念される「知識理解」をどの様に補完するのか、等が課題として指摘されています。「ゆとり世代」を教師として迎え始めた今、改めて中等社会科教育における生徒の「学び」の意味を問い直し、社会科教師の「授業力」の向上を図ることが求められています。そして、「授業力」を向上させるための自己研鑽、公的研修、校内研修などのあり方も課題となっています。「ゆとり世代」が教壇に立ち始めた今、「ゆとり教育」の意味を再検証することで、社会科教師が初任、中堅、ベテラン、管理職などの各立場でどの様なキャリアパスを形成し、「授業力」の向上に資するべきかを考える好機ともいえます。本シンポジウムは、教員養成を担当する大学教員、20年目のベテラン教員、3年目の若手教員、公的研修を担当する研修センターの指導主事、社会科教師のライフヒストリーを研究する教育学研究者、文部科学行政を担当する調査官、が一堂に会し、社会科教師が如何に「授業力」の向上を継続すべきかなどを考えます。会場からの「俺にも言わせろ!!」という積極的な発言を交え、中等社会科教育界の今後のあり方を自由に議論できればと思いますので、ご協力をよろしくお願いします。