会長挨拶

「中等社会科教育学会」は、中等教育段階(中学校と高等学校)の社会科教育、地理歴史科教育、公民科教育の関係者が集まり、相互に研鑽する場です。また、中等教育に限定せず、初等教育(小学校)から高等教育(大学、大学院)、さらに生涯教育において、「公民的資質」をいかに育成、醸成するかを研究・実践し、その成果を発表し、会員相互が連携・交流を図る場です。

本学会は、東京教育大学の筑波移転を契機に設置された独立修士課程「筑波大学大学院修士課程教育研究科社会科教育コース」の大学院生と修了生が中心となって1982年に設立された「筑波大学社会科教育学会」を母体としています。その後、2005年に同窓会機能を分離し、全国学会の「中等社会科教育学会」に衣替えしました。会員や活動の範囲を筑波大学関係者に限定せずに、広く活発に活動を展開する全国学会として既に20年の歴史を有しています。

学協会は、関係者が平等な立場で、自由・闊達に研究成果を発表し、相互に議論、交流する場です。そのためは、学会誌と研究発表会が重要な役割を果たします。本学会の学会誌『中等社会科教育』は査読(レフェリー)制度を整備し、掲載論文の学術的水準を高く保つことに努めています。また、「研究論文」や「研究ノート」といった純粋な学術論文のほかに、「実践論文」や「授業レポート」、「社会科教育情報」といった学校現場で活躍している教員の生の声を伝え、実践成果を報告し、現場で有用と思われる資料や情報を提供するなど、多種多様な掲載ジャンルを設定しています。一方、研究発表会は、秋に全国研究大会を開催し、自由研究発表、シンポジウム、大学院生による先進的・実験的な模擬授業など多彩なプログラムを展開します。研究発表終了後の懇親会は、会員同士にとって貴重な交流の機会となっています。その他に、研究例会を不定期に開催し、さらに会員の研究グループとして「授業実践研究部会」などの部会も活発に活動しています。

社会科教育を取り巻く状況は大きく変化しています。社会・経済のグローバル化の進展、生成系AIに代表されるネット社会の発展、政治的な要因に留まらず価値観などによる「社会の分断」の進展、そして、既知の「知識と技能」の継承を中心とした従来型教育の限界も指摘されており、「個別最適な学び」、「協働的な学び」の重要性が提唱されています。また、社会科教員の求められる資質として、教科内容(コンテンツ)に関わる親学問(地理学、歴史学、経済学など)の専門的知見と、教科方法(コンピテンシー)に関わる教育学(教科教育学、教育課程論、学校教育学など)の専門的知見のバランス、さらにカリキュラムのマネジメント能力なども重視されています。「中等社会科教育学会」は、親学問と教育学のバランスある研究・実践を志向した学協会です。多くの方々に「中等社会科教育学会」に積極的に参画いただき、それぞれの立場で「社会科」について一緒に議論が出来ればと思います。

中等社会科教育学会
三橋 浩志

学会会則

中等社会科教育学会会則

第1条 本会は中等社会科教育学会と称する。

第2条 本会は社会教育および地理歴史科教育・公民科教育に関する研究を行い、あわせて会員相互の連帯を図ることを目的とする。

第3条 本会は、前条の目的を達成するために、次の活動を行う。

  1. 研究会・例会の開催
  2. 機関紙・会報の発行
  3. 資料の収集・交換
  4. その他必要と認められるもの

第4条 本会の会員は、本会の趣旨に賛同する者で、所定の会費を納入した者とする。

第5条 本会の本部は、筑波大学大学院人間総合科学研究科社会科教育学研究室におく。

第6条 本会は次の役員をおく。

  • 会長 1名
  • 副会長 2名
  • 評議員 若干名
  • 理事 若干名
  • 会計監査 2名
2.評議員および会計監査は総会において選出する。
3.会長および副会長は理事会で選出する。
4.理事は総会の承認を得て、会長が委嘱する。
5.役員の任期は2年とする。ただし、再選は妨げない。

第7条 会長は本会を代表し、会務を総括する。

2.副会長は会長を補佐し、会長に事故などがあったときにはその職務を代行する。
3.評議員は評議員会を構成し、重要な会務を運営する。
4.理事は理事会を構成し、会長をたすけて会務を運営する。
5.会計監査は、本会の会計を監査する。

第8条 本会には顧問をおくことができる。顧問は総会の承認を得て会長が委嘱する。

第9条 本会の会議は、総会、評議員会および理事会とする。

2.総会は毎年1回会長が招集する。
3.必要ある場合、会長は臨時総会を招集することができる。
4.総会の議決決定は、出席会員の過半数をもって行う。
5.評議員会は、会長、副会長、評議員、理事、会計監査、顧問をもって構成し、会長の招集によって会務を審議する。
6.理事会は会長が招集する。

第10条 本会の会費は、会費、寄付金、その他をもってこれに充てる。

2.本会の会費は年額3,000円とし、毎年6月末日までに納入するものとする。
  なお、学生会員は2,000円とする。
3.本会の会計年度は毎年4月1日に始まり、翌年3月31日までとする。

第11条 会則の改正は、総会の議を経なければならない。

付則 この会の会則は、平成17年11月19日から施行する。

役員一覧

2024-2025年度 中等社会科教育学会役員
任期:2024年4月1日~2026年3月31日

会長三橋 浩志
副会長西尾 理  栗原 久
事務局金 玹辰  國分 麻里唐木 清志
学会誌編集委員 (◎は委員長、○は事務)
井田 仁康 大野 新 鎌田 和宏 川﨑 誠司 栗原 久
◎須賀 忠芳 寺本 誠 丹治 達義 藤本 和哉
○中村 光貴 山口 泰宏 大木 匡尚 小貫 篤
評議員
渥美 利文 飯島 睦子 石本 由布子 磯山 恭子 井門 正美
茨木 智志 大野 新 小野 智一 加藤 公明 熊田 禎介
栗原 久 今野 日出晴 佐藤 秀樹 須賀 忠芳 杉浦 正和
田尻 信壹 高橋 健司 外池 智 中切 正人 松岡 尚敏
松崎 康弘 草間 真智子 宮薗 衛 森岡 孝文 山根 栄次
李 明熙 若生 剛
理事
井田 仁康 伊藤 純郎 江口 勇治 鎌田 和宏 唐木 清志
川崎 誠司 木村 勝彦 桐谷 正信 齋藤 慶子 佐藤 公
杉田 孝之 多田 知子 丹治 達義 寺本 誠 年友 彩
野口 剛 華井 裕隆 藤本 和哉 真柴 晶彦 三橋 浩志
谷田部 玲生 山口 泰宏 山田 美保 山本 栄一
学生幹事(大学院院生)
世良田基輝 佐久間弘人 谷中茉美 小松崎蒼也 長登茂之
齋藤丹里 小松純 杉浦大輝 小谷勇人
顧問
篠原 昭雄 谷川 彰英 江口勇治

研究部会

現在、以下の部会が活動しております。

授業実践研究部会

目的

  1. 当会は、中等社会科教育学会の下部組織として機能し、学会活動の発展に寄与することを目的とする。
  2. 当会は、社会科教育の研究者・学生と学校現場における授業実践者との相互の交流、情報交換を通して、社会科教育における研究と実践を深化させることを目的とする。

組織・内容

  1. 当会の参加者は、原則として、中等社会科教育学会員とする。
  2. 代表者、及び運営委員を置き、当会の運営にあたることとする。
  3. 社会科授業実践をめぐる研究発表及び討議を行い、学校現場に即して、授業実践に関する研究を深める。
  4. 年4回程度の定期会合を設定し、参加者相互の連携を深めるとともに、情報交換の場としても機能させる。
  5. 部会開催の告知は、学会ホームページ等、電子媒体上において行うこととする。
  6. 当会の経費は、中等社会科教育学会総会の承認の下、学会予算から必要に応じて計上することができる。